株式会社理論創薬研究所 代表取締役 吉森 篤史 氏

【こんな会社です】

ケモインフォマティクス (化合物の活性値や毒性値など、化学に関するデータをコンピュータで処理することにより、法則や仮説を導き出す手法) と計算化学を用いて、低分子のタンパク質間相互作用阻害薬をデザイン。特に、タンパク質の二次構造を擬態する低分子のデザインを得意とする。


【ここがユニーク!】

  • 創薬支援のなかでも、ケモインフォマティクスの活用に多くの実績があること。
  • プロジェクトごとにニーズを聞いて、自社でソフトウェアを組むことができること。
  • 単なるソフトウェアのベンダーではなく、創薬の経験とノウハウの蓄積があること。

 

 

サイエンティフィックなコミュニケーションに、飢えていた15年間。
創薬分野のオープンイノベーションに魅力を感じ、入居を決意。

Q.
起業してから、15年目になられますよね。このタイミングで iPark に入居されたのは、どうしてでしょうか?

A.
見学に来たとき、「ここは、創薬やヘルスケアの分野でオープンイノベーションを進めるための施設です」と聞いて、驚きました。これまで IT と創薬、両方の世界を見てきましたが、IT に比べて創薬の業界は、昔から「秘密主義」、「閉塞的」という印象を持っていました。そうした分野で、オープンイノベーションを推進する施設というのは、とても革新的だと思ったんです。

Q.
iPark 入居企業とのコミュニケーション、コラボレーションに魅力を感じて入居されたということですか?

A.
はい。ベンチャーってほんと孤独なんですよ。大企業ですと、各分野のプロどうしでディスカッションする機会も多いと思うんですけど、少人数のベンチャーだとそれができません。また、受注を受けても、相手先の研究者に会える機会はあまりなく、サイエンスの深い話には至らないことが多いんです。15年間そうやって進んできて、サイエンティフィックなコミュニケーションに、とても飢えていました。

 

 

サイエンスの刺激に満ちた毎日。
その刺激が、次のアイディアや行動の原動力となる。

Q.
iPark に入居されて、状況は変わりましたか?

A.
はい。非常にありがたいことに、さまざまな分野の研究者の方と、レベルの高いサイエンスのディスカッションを毎日のようにさせてもらっています。ベンチャーにとって、このインパクトはすごいですよ。その刺激が、次のアイディアを生み出したり、行動を起こすための原動力になっています。

Q.
他社の方とサイエンスのディスカッションができるものですか?

A.
はい。入居してすぐに他の入居企業の方にランチに誘っていただき、サイエンスディスカッションで盛り上がりました。

別に秘密保持契約を結ばなくても、ノンコン※で話せることって、実はたくさんあるんですね。そうしたコミュニケーションを、私は大事にしています。
※ノンコン:ノンコンフィデンシャル。機密事項を含まないこと。

 

 

入居して1ヶ月で、他の入居企業とのコラボレーションが具体化。
今後は、異なるフィールドの会社と連携して、幅広いニーズにも応えていきたい。

Q.
そうしたサイエンスベースの交流から、企業間のコラボレーションが始まることもありそうですね。

A.
はい。弊社はまだ入居1ヶ月ですが、実は、すでに1社の方と、共同開発の話が具体化し始めています。創薬ベンチャー企業の研究者と共同で独自性の高い創薬支援ソフトウェアの開発を目指しています。

また、今後は iPark の異なるフィールドの会社と連携することで、これまで自社だけでは対応できなかったような幅広い顧客ニーズに応えることも、可能になるのではないかと思っています。

Q.
入居を検討されている方に何かメッセージはありますか?

A.
では、私と同じベンチャー企業の方に。

ベンチャー企業って、尖った技術で勝負していて、その技術には自信があると思います。
でも、その尖った技術ひとつだけで勝負するんじゃなくて、周囲とコラボレーションすることで、大きなブレイクスルーに繋がる可能性があると思うんですよね。創薬は、総合的なサイエンスですから。

分野に限らず、オープンなマインドセットを持っている人に入居していただき、ぜひ一緒にイノベーションを起こしていきたいと思います。

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プロフィール 吉森 篤史 さん


大学卒業後、精密機器メーカーに就職するも、学生時代に学んだケモインフォマティクスを究めるため、退職してふたたび大学院へ。博士取得後、IT 技術で創薬を支援する会社を起業。12年前に個人で運営を始めたブログ「Cheminformist」は多くの創薬研究者に親しまれている (現在改訂中)。
iPark内では、創薬におけるオープンソースの使い方について無償で相談に乗るコミュニティ 「MolaMol」 を立ち上げ、賛同した他社の研究者とともに運営している。

 

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