Chordia Therapeutics株式会社 Senior Director 佐藤 義彦 氏

【こんな会社です】

合成致死性※1 を利用した低分子抗がん剤の研究開発を行う創薬ベンチャー。2018年11月に臨床試験を開始した CLK 阻害薬を筆頭に、複数の前臨床プロジェクトを有している。


【ここがユニーク!】

  • 独自の in silico (計算化学およびBI) 技術と、豊富な経験に裏付けされた人間の判断力、双方を組み合わせることで、スピーディかつ高効率な化合物の創製にチャレンジしていること。
  • 高い専門性と、臨床化合物創出の経験を有する研究者から構成されていること。

※1 合成致死性: 2つの遺伝子が同時に抑制されたときに細胞死が起こる現象。がん原遺伝子と合成致死性を示す遺伝子を薬剤で抑制することができれば、がん細胞に選択的に細胞死誘導することができるため、高い効果や副作用の低減が期待される。 

 

開発中止となった薬が、患者さんの命を救い続けていると知ったとき、もう一度自分の手で薬を創りたいと、決意を新たにした

Q.
はじめに、御社の起業の経緯を教えてください。

A.
武田薬品時代に研究していたいくつかの抗がん剤プロジェクトを引き継ぐ形で、武田薬品の EVP 制度 ※2 を利用して、2017年11月に起業しました。

Q.
代表の三宅さんは、プロジェクトに強い思いがおありだったと伺っていますが、佐藤さんも、三宅さんに共感して参画された形でしょうか?

A.
プロジェクトへの思いだけでなく、私は以前から、「正しい薬を適切な患者さんに届けたい」という強い思いがありました。社長の起業動機にもそうした思いがあり、そこに共感した部分が大きかったと思います。

Q.
創薬の根っことなる、企業理念に共感されたということですね。

A.
はい。実は2011年頃、5年ほどかけて臨床試験に送り出した化合物が、色々な事情で開発中止となってしまったとき、製薬会社を辞めようかと思ったことがありました。その時たまたま、研修で出会った製造職の方から、「開発中止後もその薬を作り続けている」と聞きました。第1相臨床試験に参加された患者さんの中で、この薬がとてもよく効いた方がいたんです。がんは命に係わる病気ですから、たとえ開発中止になった抗がん剤でも、効いている患者さんが1人でもいたら、その患者さんのために作り続けていたのです。それを聞いたとき、「ああ、私の5年間はその患者さんのためにあったんだ」と思い、胸のおもりがすっと取れた気がしました。そのとき、やはり自分の手で創薬をしたいと、決意を新たにしたんです。

※2 EVP: Entrepreneurship Venture Program。武田薬品の研究者によるベンチャー企業設立を支援するプログラム。

 

 

アイパークの魅力は、さまざまな強みを持つ企業とシームレスに協働できること。
そして、インターネット上では検索できない、最新の業界情報が手に入ること。

Q.
アイパークに入居してよかったことはありますか?

A.さまざまな強みを持つ多くの企業と、シームレスに協働することができる点ですね。

リソースの限られている弊社のようなベンチャー企業でも、他のフィールドの企業とコラボレーションすることで、自社だけでは成し得なかったことが、実際に実現しつつあります。
また、インターネットでは検索されない、最新情報が手に入ることも魅力ですね。たとえば、アイパークでは武田薬品の薬事部の方が薬事相談会を開いてくださり、今後の薬事審査の方向性や業界の動きなどを予測して話してくれたりします。


知的財産権問題を扱う弁護士事務所など、研究以外の部分でイノベーションをサポートしてくれる企業にも、入居して欲しい。

Q.
今後、どういった企業に入居していただきたいですか?

A.
アライアンスや知的財産権の問題などを第三者的にコーディネートしてくれるところがあるといいなと思います。最近、法律特許事務所の相談窓口も開設され、これから入居企業間同士、外部企業とのコラボレーションがさらに活性化していきそうで、ワクワクしています。

Q.
なるほど、創薬やバイオといった研究以外のところにも、イノベーションを推進するためのニーズがありそうですね。

A.
はい。一方で、事業分野はどうであれ、やはりベンチャースピリットを持っている方がいいです。我々バイオベンチャーは、目先の安定ではなく、長い目で見て大きな成功を目指しているので、それに寄り添って一緒に挑戦してくださる気概を持った企業に入ってきていただきたいですね。ここには、そうしたスピリットでチャレンジできる環境が、絶対にあると思います。

View infographic

 

プロフィール 佐藤 義彦 さん


武田薬品にて約11年間、がん研究に携わる。同社の組織改変を機に他の製薬会社へ転職したものの、自身の幅を広げるためにベンチャー企業で勝負したいと思い、武田薬品発の抗がん剤創薬ベンチャーである Chordia Therapeutics に再転職。現在、同社にて研究のみならず事業開発を担当し、研究とビジネス両面で、自身と会社を成長させるべく奮闘中。

 

View infographic