【こんな会社です】
(1)ゲノム編集細胞作製技術
(2)核酸デリバリー技術
の2つをコア技術として、創薬支援を行う。
【ここがユニーク!】
- CRISPR-Cas9※1の基本特許の使用許諾を取得している、日本においてはまだ数少ない会社であること。
- 武田薬品において長年創薬プロジェクトに携わってきた経験から、非常に効率の高いゲノム編集が可能であること。
※1 CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)-Cas9:原核生物の免疫機構を利用して、ゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる遺伝子改変技術。2013年に発表され、現在世界中に利用が広まっている。
ボストンのベンチャー企業への出向で、企業としての柔軟性を体感。
武田薬品の中で培ってきた技術を広く提供することを目指して、起業。
Q.
御社の設立経緯について教えてください。
A.
2017年、武田薬品のEVP※2を利用して設立しました。これまで武田薬品の中の創薬基盤技術を担う部署として、ゲノム編集細胞作製技術および核酸デリバリー技術を培ってきましたが、これらを武田薬品1社だけでなく、もっと多くの企業に使っていただきたくて、起業しました。
Q.
長年武田薬品の中でやってこられて、どういった心境で起業という選択をされたのですか?
A.
武田薬品時代に、ボストンのベンチャー企業に出向していたことがあったのですが、そのときに、ベンチャー企業の運営の仕方、特に、新しいことにかなり柔軟にトライできるところに、大きな魅力を感じました。今回ちょうど起業支援制度ができたこともあり、ぜひチャレンジしてみたいと思いました。
※2 EVP: Entrepreneurship Venture Program。武田薬品の研究者によるベンチャー企業設立を支援するプログラム。
「実は最近こんなことを考えていて…」
エレベーターの乗り合わせが生む小さなアイディア共有も、
大切なチャンス。
Q.
武田薬品からの独立ということで、アイパークヘの入居自体は自然な流れだったかと思いますが、1企業として事業を開始されて、アイパークについて何かお感じになることはありますか?
A.
やはり、さまざまな企業がひとつの建物に入居しているというのは大きな利点ですね。サイエンスにおいてface to faceで話すことは非常に重要なので、その必要性が出たときに、「では15分後に会いましょう」なんてことも臨機応変にできるというのはとても大きいです。
Q.
思い立ったらすぐに会いに行けるということですね。
A.
はい。また、目的を持って会いに行く場合以外にも、偶発的にラフなコミュニケーションが生まれることがあります。面識のある研究者と廊下ですれ違ったりエレベーターに乗り合わせたときに、「そういえば、最近こんなことを考えているんですけど・・・」などとアイデアを共有することで、盛り上がったり、のちの正式なコラボレーションにつながったりするので、そうした場も大切なチャンスです。
創薬支援ベンチャーから見たアイパークの魅力は、
ニーズが明確な企業が多いこと。
ビジネスの加速や、より期待に沿ったサービスの提供が、
可能になっている。
Q.
創薬支援ベンチャーとして、アイパークに入居している意義は何か感じていらっしゃいますか?
A.
そうですね、弊社の核酸修飾技術にしてもゲノム編集技術にしても、その必要性や実現したいことを明確にされている企業が多いので、スピーディに進められますし、先方の期待にも応えやすいので、やりがいがあります。入居企業の皆さん、サイエンスレベルが高いというのはとても感じます。
Q.
今後、さらにこういった企業に入ってきていただきたい、というご希望はありますか?
A.
核酸合成のできる会社ですと多くの入居企業に歓迎されるかも知れませんので、そうした会社が入ってきてくださるといいですね。
プロフィール
株式会社GenAhead Bio 周郷 司 氏(代表取締役社長)
武田薬品にて、20年以上にわたり創薬基盤技術の研究に携わる。特に近年注力してきたゲノム編集技術と核酸デリバリー技術を核として、2018年に武田薬品から独立し、株式会社GenAhead Bioを設立。