ファイメクス株式会社 冨成祐介氏

入居者の声

【こんな会社です】

病因タンパク質の分解誘導を機序とする新規医薬品の研究開発を行う。
(https://www.fimecs.com/)


【ここがユニーク!】

  • Immunology(免疫学)とOncology(腫瘍学)両方に専門的な知識・経験を持ったBiologistとMedicinal Chemistがいること。
  • タンパク質の分解誘導をコンセプトとしているため、低分子化合物では標的にできない病因タンパク質をターゲットにできること。(Drugging Undruggable Targets)

 

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有志の研究チームで進めていたプロジェクトをもとに起業。
大企業を離れて、自信のあるコンセプトに賭けてみたいと思った。

Q.
まずはじめに起業の経緯を教えてください。

A.
2018年1月に、武田薬品のEVP※を利用して、起業しました。もともと武田薬品時代に、メインのプロジェクトとは別に有志のワーキンググループで進めていた研究を起点にしています。

Q.
メインではない研究がもとだったんですか。どういったワーキンググループでしょうか?

A.
「長期的な視点でインパクトのある、将来のための研究をする」というワーキンググループ(F-iMec)です。いわゆる20%ルールとして、自身の20%以下のFTEを本研究に使用することが認められていました。EVPへの応募を決めてからは、メインのプロジェクトの研究は17時までと決めて、17時以降にコツコツと検証を進めていました。

Q.
起業すること自体には、ためらいはなかったのでしょうか?

A.
そうですね。チャンスだと思いました。実際にかなりのスピー ドで初期段階としての成果が出て、シニアリーダーもその価値を認めてくれていました。武田薬品が湘南サイトにおける重点疾患領域の絞り込みを進めたことから、プロジェクトを日本でそのまま継続することは難しくなってしまいましたが、この方向性でいけるという自信はある程度あったんです。
ですので、武田薬品を離れて、このコンセプトできちんと勝負してみたいと思いました。

※EVP: Entrepreneurship Venture Program。武田薬品の研究者によるベンチャー企業設立を支援するプログラム。

 


 

ウェットラポを1からセットアップしなくていいという利点。
会社が成長していくにつれて、その価値は大きくなっていくと思う。

Q.
実際にベンチャー企業としてスタートして、研究生活はどのように変わりましたか?

A.
すべてが違いますが、特に時間の使い方ですね。Burn rate(会社を経営していくために1ヶ月いくらの資金が必要になるかという指標)が月2,000万円とすると、平日1日で100万円かかっている。そうすると、寝食の間にも、50万円くらい飛んでいっていると考えるわけです。そうすると、今日一日何をすべきか。また、学会に参加する際なども、かけたコスト以上の価値を生み出さないと意味がないので、とにかく最大限その機会を活用し費用対効果を追求しようとしています。

Q.
そうしたなかで、アイパークに入居していてよかったと思うことは、何かありますか?

A.
ウェットラボを持っているというのはやはりメリットですね。今はまだ、会社の規模がまだ小さく、フル活用できていない部分もありますが、今後成長してくるにつれてそのメリットが大きくなってくると思います。

 


 

2年後の目標は、会社が大きくなっていること。
5年後の目標は、会社がなくなっていること。

Q.
今後の会社としてのピジョンと、そのうえでアイパークに求めることがあれば教えてください。

A.
2-3年のうちには、会社をもっと大きくしたいと思っています。そのときに、スムーズに中規模の事業スペースに移れるといいですね。たとえば、小規模スタートアップ用のエリアと、中規模ベンチャー用のエリアがあって、事業が成長して手狭になってきたらワンランク広いところに移るとか。入居期間も、小さいスペースにいられる年数にある程度制限を設けて、強制的に広いところに移っていくようなシステムにするとか。そうすると、ベンチャー企業自身にもきちんとプレッシャーがかかるし、顔ぶれも次々と入れ替わっていく。イノベーションも、エコシステムも、流れがないところには生まれないですからね。

Q.
貴重なご意見ありがとうございます。さらに先、たとえば5年後はいかがですか?

A.
5年後の目標は、いい意味で会社がなくなっていることです。今の研究を完成させて、M&Aで事業を売却し、プロジェクトも会社も解散しているのは一つの目標です。医薬品として患者さんの元に届くまでに会社のステージは創薬研究主体から開発までカバーした形へと変化していきます。その過程で製薬企業のリソ ースを利用して世の中に医薬品を届ける事は自社単独で開発ステージを進める以上のスピードと確実性を生み出せるのではと思っています。
創薬の世界は進歩も速いですし、潮流も5年くらいのスパンでどんどん変わるので、求められているうちに成果を出して、最先端を走り続けていかなければならないと考えています。

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プロフィール

ファイメクス株式会社 冨成 祐介 氏(代表取締役 CEO, Co-Founder

2006年東京大学大学院薬学系研究科にて博士号取得。同年、武田薬品に入社。Medicinal Chemistとして10年以上にわたり、癌領域、免疫疾患領域の創薬研究に携わる。免疫疾患領域で進めていたタンパク分解誘導化合物の研究成果をもとに、2018年1月、武田薬品のEVP (Entrepreneurship Venture Program)制度を利用して武田薬品の同僚とファイメクス株式会社(英名:FIMECS, Inc.)を設立。同社代表取締役CEO兼CSOに就任。合成技術を基にしたタンパク分解誘導剤の創薬Platform(RaPPIDSTM)の確立と自社の癌領域のプログラムを推進中。

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